家財の評価額をちゃんと考えよう
今まで、自宅にある家財の総額について考えたことがある人は、あまりいないと思います。
ですから家財の評価額で1,000万という算出をされても、「そんなに高額な家財は持ってないよー」と、設定金額を下げてしまう人もいるかもしれません。
しかし生活の建て直しをするときには、思っているよりも多額の費用が発生するものです!
家財の評価額を安易に下げるのはリスクを高めてしまうので、このページ読んでから設定額を考えてみてください。
火災保険における家財の価格は、「再調達価額」
火災保険における家財の価格は、「新価(再調達価額)」というものになります。なかなか聞き慣れない言葉ですよね。
再調達価額とは、損害を受けてしまったものと同等の商品を新たに購入する際に、現在必要な価格になります。
補償の例を挙げます。
10年前に10万円で販売していたPCが、現在5万円で販売していた場合、補償金額は5万円となります。
10年前に5万円で販売していたPCが、現在10万円で販売している場合は、補償金額は10万円となります。
またお部屋を見渡していただくと分かると思いますが、室内にはソファ、ベッド、パソコン、デジカメ、家具、冷蔵庫、食器類など、実に様々なものがあります。
実際に火災に遭われたときはそれらの家財を買い替える必要が出てきますが、家中にある家具、冷蔵庫、食器類などを全て再調達するには、意外と費用がかかってしまうことが分かります。
さらに衣類なども全て再調達価格で計算しますので、スーツや鞄にこだわりを持っているサラリーマンや、ファッション・ブランド好きの人であれば、衣装だけでもけっこうな評価額になるのではないでしょうか。
家財保険に加入する際はこれらの点を踏まえて、あまり低い金額には設定しないことをオススメします。
一般的な評価額の目安は?
自分で家財保険の金額を設定するのが難しい、面倒だ、という人のために簡易評価表というものがあります。
各保険会社ごとで額は少し異なってきますが、ここでは楽天損害保険のものを見てみます。
世帯主 年齢 |
家族構成 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2名 | 3名 | 4名 | 5名 | 1名 | ||||||||
大人1名 | 大人2名 | 大人2名 | 大人3名 | 大人2名 | 大人3名 | 大人4名 | 大人2名 | 大人3名 | 大人4名 | |||
小人1名 | ー | 小人1名 | ー | 小人2名 | 小人1名 | ー | 小人3名 | 小人2名 | 小人1名 | |||
25歳以下 | 480 | 550 | 600 | 620 | 670 | 720 | 690 | 740 | 790 | 840 | 265 | |
30歳前後 | 660 | 730 | 780 | 800 | 800 | 900 | 870 | 920 | 970 | 1,020 | ||
35歳前後 | 940 | 1,010 | 1,060 | 1,080 | 1,130 | 1,180 | 1,150 | 1,200 | 1,250 | 1,300 | ||
40歳前後 | 1,140 | 1,210 | 1,260 | 1,280 | 1,330 | 1,380 | 1,350 | 1,400 | 1,450 | 1,500 | ||
45歳前後 | 1,300 | 1,370 | 1,420 | 1,440 | 1,490 | 1,540 | 1,510 | 1,560 | 1,610 | 1,660 | ||
50歳以上 | 1,370 | 1,440 | 1,490 | 1,510 | 1,560 | 1,610 | 1,580 | 1,630 | 1,680 | 1,730 |
おおよそこの表に該当する金額設定をしておけば、充分な額と言えるでしょう。
ただし!
万が一火事にあった際に再調達価額以上の金額を受け取ることはできません。本来の評価額より高く設定しても、無効になってしまいますよ。ズルいことを考えてもダメですので、ご注意を!
どんなに高級な物でも補償対象になるか?
ここを読まれている人のなかには、祖父母の代から譲り受けている宝石や、美術品などをお持ちの人もいるかもしれません。
では数百万円や一千万円を超えるような貴重品であっても、家財保険で補償されるのでしょうか?
まず基本的に、価額が30万円を超える貴重品については、事前に申告をして明記物件として契約する必要があります。明記物件の上限は、通常100万円です。
保険会社によっては特約を付けることで補償額を上げているところもありますが、それでも1事故あたり100万円~300万円が限度額となります。
もしこれ以上の評価額の宝石・美術品にも補償をかけられたい場合は、保険会社によってはお引き受けしてる会社もあるようです。引き受けの条件としては、所定の明記物件明細書に明記すること、家財保険とは別に特別保険料を支払うこと、などがあります。
また保険金額については新価ではなく時価で算出されるなど、注意事項がありますので、詳細は問い合わせるのが確実です。
特別に加入しておきたい高額な物品を持っているという人は、前もって担当者に相談しておきましょう。