火災の原因は放火が最多
火災における直接の出火原因で最も多いのは、何と「放火」です。消防庁の白書によると、ここ数年火災原因のトップであり続ける放火は、第4位の「放火の疑い」を含めると全体の2割弱に達します。
言うまでもなく放火は違法行為であり、りっぱな犯罪として重い刑事罰が科されます。それでも放火は人の悪意が引き起こす行動のため、未然に防ぐことが難しい側面があります。
家周りや近隣に目を配る姿勢を!
放火という行為を完全になくすことは難しくても、日頃からのちょっとした注意や工夫で被害を最小限に抑えることはできます。まず「家の周りに燃えやすい物を置かない」ことは、放火抑止の鉄則です。
実際に、家の裏などに積まれたままの古新聞や雑誌の束などが火元になる例は多いもの。
不用品を長いこと放置していたり、植木の手入れをしていないなど家の管理がルーズな場合も、防犯意識が低いと判断され、放火だけでなく空き巣などのターゲットになりやすくなります。
また、収集日以外のタイミングでゴミを出しておくことも危険です。
それから屋外に駐輪しているバイクや、ガレージの自動車カバーも被害に遭いやすいので、割高になっても防炎素材の製品を選ぶなどの対策をしておきましょう。
そのほか、空き巣対策を兼ねてセキュリティサービスを利用する、防犯カメラを設置する、なども不審者の侵入に対して一定の抑止効果があるとされています。
第2位以下の失火原因にも注意を!
出火原因の第2位は「たばこ」です。
小さな火元に思えますが、畳やカーテン、寝具、衣類などに着火する力を持っています。特に寝たばこは出火につながる例が多いので、灰皿に水を入れておき、完全に火が消えたことを確認してから眠るようにしてください。「まさか自分がそんな事故を起こすわけがない」と思っている人こそ、油断は禁物です。
そして第3位は「コンロからの失火」。
最近は電磁調理器など火が出ないタイプの調理器具も増えていますが、従来型のコンロを使用する家庭のほうがやはり多いです。揚げ物の調理中に火を出すパターンが非常に多いようですので、調理中は絶対にその場を離れないようにすることが大切です。
また小さな子どものいたずらによる出火事故を防ぐには、チャイルドロック機能を使うか、元栓を閉めるなどの対策で防災に努めましょう。
第4位は先ほど紹介した「放火の疑い」で、第5位以下にはたき火や火遊びといった項目が続きます。
キャンプファイヤーや花火では楽しむことに集中してしまうと思いますが、後始末も怠らないよう気をつけましょう。
屋外で火を使用する際は周りに水源がないことも多いですから、初期消火の準備は忘れずにしっかりと行ってください。
放火は地域で防ごう!
マナーを守らない人が多い場所では、放火事件が発生しやすくなる傾向があります。個々の対策もそうですが、地域ぐるみで日頃から放火などへの防犯意識を高く持つことが、安心して生活するための大切な要因であると言えるでしょう。
安全への意識を高く持って、地域のみんなで協力して自分たちの暮らしを守っていきましょう。