不要になった火災保険はいつでも解約できる
引越しなどで、火災保険の契約をしていた住居を離れることもあると思います。
実はその場合、火災保険は途中で解約することができます。契約期間の途中で解約となるケースでは、残りの保険期間に相当する分は未経過保険料として返還されることになります。
たとえば2年契約の賃貸物件に住んでいて1年後に引越しをすることになった場合は、解約により残り1年分に相当する火災保険料を受け取ることができるということです。
もちろん賃貸だけでなく、購入したマンションや戸建てに掛けている火災保険も同様の仕組みです。保険というと掛け捨てというイメージが強いのですが、火災保険についてはいつでも解約できてお金が戻るケースがほとんどです。
長期契約の未経過保険料計算式
長期の一括払契約における未経過保険料は、一括で支払った保険料に経過年月ごとに定められた係数を掛け合わせた計算式で算出した額になります。
ここではセゾン自動車火災保険の「じぶんでえらべる火災保険」を例に挙げていますが、保険会社によってこの計算式は異なります。
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未経過料率係数表
注1.下記に掲げる数字(単位:%)は、それぞれ当該長期保険特約付保険契約の料率に対する割合を示す。
注2.経過月数につき1 か月未満の端日数は、1 か月として計算する。経過月数 経過年数 2年契約 3年契約 4年契約 5年契約 0年 1年 0年 1年 2年 0年 1年 2年 3年 0年 1年 2年 3年 4年 1ヶ月まで 87 43 91 61 29 93 70 46 22 95 76 57 38 18 2ヶ月まで 81 39 87 58 27 90 68 44 20 92 75 55 36 16 3ヶ月まで 76 35 84 56 24 87 66 42 18 90 73 54 34 15 4ヶ月まで 70 31 80 53 21 85 64 40 16 88 71 52 33 13 5ヶ月まで 65 27 77 50 19 82 62 38 14 86 70 50 31 11 6ヶ月まで 62 23 75 46 16 80 60 36 12 85 68 49 29 10 7ヶ月まで 60 19 73 45 13 79 58 34 10 84 67 47 28 8 8ヶ月まで 57 16 71 42 11 78 56 32 8 82 65 46 26 7 9ヶ月まで 54 12 69 40 8 76 54 30 6 81 63 44 25 5 10ヶ月まで 51 8 68 37 5 75 52 28 4 80 62 42 23 3 11ヶ月まで 49 4 66 35 3 73 50 26 2 79 60 41 21 2 12ヶ月まで 46 0 64 32 0 72 48 24 0 78 59 39 20 0
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経過月数 経過年数 6年契約 7年契約 0年 1年 2年 3年 4年 5年 0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 1ヶ月まで 95 80 64 48 32 15 96 83 69 55 41 27 13 2ヶ月まで 93 79 63 47 30 14 94 82 67 54 40 26 12 3ヶ月まで 91 77 61 45 29 12 93 81 67 53 39 25 11 4ヶ月まで 90 76 60 44 27 11 91 79 66 52 38 24 10 5ヶ月まで 88 75 59 42 26 10 90 78 65 51 37 23 8 6ヶ月まで 87 73 57 41 25 8 89 77 63 49 35 21 7 7ヶ月まで 86 72 56 40 23 7 88 76 62 48 34 20 6 8ヶ月まで 85 71 55 38 22 6 87 75 61 47 33 19 5 9ヶ月まで 84 69 53 37 21 4 86 74 60 46 32 18 4 10ヶ月まで 83 68 52 36 19 3 86 73 59 45 31 17 2 11ヶ月まで 82 67 51 34 18 1 85 71 58 44 30 15 1 12ヶ月まで 91 65 49 33 17 0 84 70 56 43 28 14 0
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経過月数 経過年数 8年契約 9年契約 0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 1ヶ月まで 97 85 73 61 49 36 24 12 97 87 76 65 54 44 33 21 10 2ヶ月まで 95 84 72 60 48 35 23 10 96 86 75 64 54 43 32 21 9 3ヶ月まで 94 83 71 59 47 34 22 9 95 85 74 64 53 42 31 20 8 4ヶ月まで 92 82 70 58 46 33 21 8 93 84 73 63 52 41 30 19 8 5ヶ月まで 91 81 69 57 45 32 20 7 92 83 72 62 51 40 29 18 7 6ヶ月まで 90 80 68 56 44 31 19 6 92 82 72 61 50 39 28 17 6 7ヶ月まで 90 79 67 55 43 30 18 5 91 81 71 60 49 38 27 16 5 8ヶ月まで 89 78 66 54 47 29 17 4 90 81 70 59 48 37 26 15 4 9ヶ月まで 88 77 65 53 41 28 16 3 90 80 69 58 47 36 25 14 3 10ヶ月まで 87 76 64 52 39 27 15 2 89 79 68 57 46 35 24 13 2 11ヶ月まで 87 75 63 51 38 26 14 1 89 78 67 56 45 34 23 12 1 12ヶ月まで 36 74 62 50 37 25 13 0 88 77 66 55 44 33 22 11 0
この係数表を元に計算してみましょう。
期間5年で一括払した火災保険で、保険料は100,000円と仮定します。これを1年後に解約した場合は、係数表の値が76%なので未経過保険料は76,000円となります。
同様に3年目に解約した場合は係数表の値は38%で、戻ってくる金額は38,000円です。
新築住宅の場合は特に長期契約で加入することが多いですが、途中で解約する場合も未経過保険料が保証されているので引越しのときなどでも安心です。
火災保険の解約で注意すること
火災保険でも地震保険でも、契約期間の途中で解約する場合は、自分から保険会社に連絡を入れ保険料の返金手続きを行う必要があります。
基本的に保険会社の方から連絡が来ることはありませんので、保険料のムダ払いをしないように注意しましょう。なお契約期間の残りが1ヶ月未満の場合は、保険料は戻りません。
また引越しだけでなく他人に住居を貸したり売却したりする際も、契約期間が残っていないかどうか確認してみてください。戻ってくるお金は少しでも確保しておきましょう。
ただし売却によって空き家になった瞬間に解約することは、無保険期間が生じて危険です。空き家についてはリスク管理上から、一般物件として再契約する必要があります。共済など一部の火災保険は、空き家としての新規加入ができないといった制約や条件が付くことがあります。
地震保険の途中解約も大丈夫
ちなみに地震保険の場合も、未経過期間の保険料は未経過保険料として戻ります。地震保険は最長で5年までの契約になりますが、こちらも同様に経過年数に応じた係数を保険料に掛け合わせて算出される金額が、未経過保険料となります。地震保険の係数は会社によって違いはありません。
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経過月数 経過年数 2年契約 3年契約 4年契約 5年契約 0年 1年 0年 1年 2年 0年 1年 2年 3年 0年 1年 2年 3年 4年 1ヶ月まで 90 44 93 62 30 95 71 47 23 96 77 58 38 18 2ヶ月まで 87 40 91 59 27 93 69 45 21 94 75 56 37 17 3ヶ月まで 83 36 88 57 24 91 67 43 19 93 74 55 35 15 4ヶ月まで 79 32 86 54 22 89 65 41 17 91 72 53 33 13 5ヶ月まで 75 28 83 51 19 87 63 39 15 90 71 51 32 12 6ヶ月まで 71 24 80 49 16 85 61 37 12 88 69 50 30 10 7ヶ月まで 67 20 78 46 14 83 59 35 10 87 67 48 28 8 8ヶ月まで 63 16 75 43 11 81 57 33 8 85 66 46 27 7 9ヶ月まで 59 12 72 41 8 79 55 31 6 83 64 45 25 5 10ヶ月まで 55 8 70 38 5 77 53 29 4 82 63 43 23 3 11ヶ月まで 51 4 67 35 3 75 51 27 2 80 61 42 22 2 12ヶ月まで 47 0 65 33 0 73 49 25 0 79 59 40 20 0
近年日本では大型地震のリスクが考慮され、地震保険の値上がりが続いています。地域によってはこれまでの約1.5倍となる場所もあります。
ご自身の住んでいる地域の値上がり率については、今のうちに確認しておくことをおすすめします。